前立腺癌は増えている
もともと欧米に多く、日本では比較的少ない疾患でしたが、食生活を中心とした生活環境の欧米化にともない、日本では前立腺癌の患者さんは急速に増加しています。現在、男性の癌のなかで罹患率では第6位、死亡率では第8位ですが、患者さんの数は2015年には1995年の約2.8倍になるといわれ、男性の癌のなかで最高の増加率となります。
早期発見のためには
早期癌の症状はほとんど無く、癌による症状出現時には進行している場合が多い疾患です。ところが前立腺特異抗原(PSA)という血液検査により、無症状のうちに早期癌として発見できるようになり、最近では前立腺癌の患者さんの多くが早期癌として見つかっています。したがって症状が無くとも、50歳を超えられたらPSAの検診を受けられることをお勧めします。
治療法
早期癌に対しては、根本的に治す方法として前立腺全摘除術、放射線療法があります。前立腺癌は一般に進行がゆっくりしているために、高齢者ではホルモン療法や無治療で経過観察できる場合もあります。進行した前立腺癌はホルモン療法が中心となります。
ここまで治る
早期癌で発見されれば、まずこの病気で亡くなる可能性は極めて低いです。転移癌の場合は、約2年で50%の患者さんがホルモン療法抵抗性となり、5年後の生存率は約40%となります。